東証マザーズに上場しているフライトホールディングであるが、2013年度第3四半期の2月決算発表で株価が月末終値135円で底を付けた。この時点で通期予想EPSは-58円であり、今後の行方が懸念されるところであった。

 しかし、2013年3月期の5月決算発表では実績EPSが-52円、通期予想EPSが5円となり、株価の5月末終値は270円となる。更に、2013年第1四半期の8月決算発表では通期予想を11円に増額し、第1四半期の赤字も-2円に縮小したことを受け、株価の8月末終値は428円となる。その後、2013年第2四半期の11月決算発表では通期予想を16円に増額し、第2四半期は上場来の四半期累積EPS16円を達成し、株価の11月末終値が約2000円となる。

 2013年度第2四半期累積黒字計上の背景には、サービス事業において電子決済ソリューション事業を新規展開し、IPAD、IPHONE対応のマルチ決済端末であるINCREDISTを4月に発売し、月産数千台規模での先行受注により、サービス事業で営業利益率約3割を達成したためである。上場来の四半期累積黒字を受けて、株価は800円から急騰して4000円近くまで迫り、11月末終値は2000円となった。

 会社業績の推移をみると、2010年3月期で過去最大の四半期累積赤字430円を記録した後に、2011年第1四半期に過去最大の四半期赤字額278円を計上している。その後、不採算事業の売上高の減少が続き、赤字幅は縮小した。2012年度第4四半期に四半期EPS10円を計上後、四半期累積赤字の縮小傾向が続いて、2013年度第2四半期に四半期累積黒字を達成した。四半期累積利益でみると、2010年3月期を底にして、2013年9月期までの3年半で黒字化にこぎつけたことになる。黒字化となったのは、サービス事業の売上が計上されたことによるものである。

 同社は、渋谷区恵比寿に本社があり、従業員が約60名である。システムコンサルティング事業が不振であったものの、スマートフォン決済端末の売上が計上されたことにより、黒字化を達成した。なお、本稿で用いている数値は全て一株当たりの数値である。


ff7













FF4














ff6














FF5














FF1














FF2













FF3












F1















F2














f3