ソフトバンクホームページには、「スプリントの経営陣とは、テレビ会議などを通じて頻繁に情報交換を行っています。ネットワークや販売体制、コスト管理など、改善すべき点は多いと感じていますが、ポジティブに考えれば、それだけ大きな成長余力を有しているということです。ボーダフォン日本法人（現ソフトバンクモバイル）も、2006年の買収直後にはネットワークや携帯端末など多くの領域で問題が山積していました。しかし、ソフトバンク流の大胆な改革の結果、右肩下がりだった営業利益が反転し、現在では買収前の6倍以上の営業利益を生み出せるまでになったのです。スプリントにも我々のノウハウを注入し、よりアグレッシブで、セールス・オリエンテッド（販売志向）な組織に変革していきます。また、国内の移動体通信事業も、スプリントの買収によってさまざまなメリットが得られると見込んでいます。例えば、携帯端末や通信機器を共同購入することでメーカーとの交渉力が強まり、これまで以上に価格、仕様、納期などで柔軟にこちらの要望に応えてもらうことが可能になると考えています。」とあります。とにかく、常識破りな原価改善を進めていき、浮いた分を販促費用と低価格戦略に使うという戦略なのでしょう。とりあえず、出血は営業黒字で止まりましたが、攻勢に出るまでにはさらに大きなコストカットとリストラを進めていく必要があります。そして、これは契約者の開拓へと攻勢に出るために、なるべく超短期で終わらせる必要があり、非常に険しいいばらの道となるでしょう。

なお、2017年度までの４年間で年平均20億ドルの仕入れ原価削減をするとのことですが、この原価改善は約6%のコストカットになりますが、これでも2014年度は営業利益が０近辺です。更にもう一段のコストカットをしないと、強固な収益体質になりません。やはり、いばらの道です。強権を発動していかに短期間で大量のリストラとコストカットを断行できるかが大きなカギでしょう。そして、このリストラには大きな反発がでます。また、契約を増加
させるための、契約プランの低料金化には、営業収益の黒字化までは、慎重にならざるを得ないため、契約減少は今後も続きます。売上の減少を大幅に上回るペースでコストカットをしていくことが必要です。