売上・利益・生産高の年次推移

 金鉱株の中でも最も歴史が古く、さかのぼれる財務データが多いバリックゴールド(ABX)ですが、同社のホームページには、1988年以降の財務データが公開されています。本稿では、このデータにより分析します。

 まず、1988年からの年次決算をみると、生産高は、2006年度にピークとなりました。次に、利益が2011年度にピークとなり、売上高が2012年度にピークとなりました。
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売価・産金コスト・マージンの年次推移

 1998年からの年次決算をみると、2011年度にマージンがピークとなり、2012年度に売価がピークとなりました。また、産金コストの一つの指標であるトータルキャッシュコストは、2015年Q3(9月期)まで右肩上がりで推移しています。

 残念ながら、年次決算でみると、まだ業績反転の兆しがありません。 
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売価・産金コスト・マージンの四半期推移

 それでは、2012年Q1(3月期)以降の四半期決算を確認します。なお、産金コストの指標ですが、2013年以降、本社一般管理費・探査・閉山後処理費用等を含むAll in sustaining cost (AISC)が統一的な指標として定められましたので、AISCを用いてマージンを計算しています。

 2012年2Q(6月期)でAISCがピークとなり、2012年4Q(12月期)で売価がピークとなる一方、キャッシュコストは、2015年1Q(3月期)でピークを打ちました。マージンは、2014年4Q(12月期)で底打ちしています。AISCがキャッシュコストに比べて、早くピークを打ったのは、本社一般管理費の削減によるものと思われます。

 原油価格の下落が加速してきたことにより、ようやくキャッシュコストも下落し、マージンが2014年4Q(12月期)で底打ちしています

 四半期決算で見ると、2014年4Q(12月期)の最悪期を通過し、回復が進んでいます。2015111704 














伸び率の四半期推移

 四半期決算の対前年伸び率の推移を表したのが下記のグラフです。2015年3Q(9月期)から、目立った変化が起きています。Gold production、Gold soldはプラスに転じました。Cash cost、All in sustaining costもようやく下落に転じました。Marginの下落率は縮小しています。

 依然として利益は赤字のままですが、産金コストの削減が今四半期で初めて確認され、状況が改善に向けて動き出したといえるでしょう。
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ゴールドオイルレシオの影響

 マージンが底打ちした背景には、ゴールドオイルレシオの上昇があります。下記のグラフは、ゴールドオイルレシオ(一四半期前)、マージン(キャッシュコストを用いて計算)の推移です。ゴールドオイルレシオの急上昇と同時に、マージンが上昇しています。

 なお、ゴールドオイルレシオは過去のピーク時には、34~48程度となっており、まだかなり伸びしろがあります。
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 最後に、参考として同社の決算推移をまとめた表を下記に掲載します。(下表の「using cash cost」を「using AISC」へ改めます。上記の図も同様です。)
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注記:過去記事「」と比較するとわかりますが、やはり財務体質を改善する力は、新興企業には及びません。

金(ゴールド)はこれから2倍になる
林 則行
宝島社
2015-02-13
 






 





 













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